輪郭だけが残っている/嘉村奈緒
 
     どこから。


     
     ひやりとしている土の上で生きている梢の揺れる(揺れる)末端に刺さる光、が








        わたしの温い肌に染む指の人は語る
        語りすぎた人であるあなたが退室すると
        わたしは乱雑とした言葉のなかで一人になる
        歩くたびに惑ったり舐めたりするので落ち着かない
        瞼を落とす
        パタンという音がして部屋は沈んでいく
        一人になる
        影の中にいる
        しばらくして体がリ・・・と揺れる
   
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