偉人の虫歯/
遊羽
くゼロと同じ
昨日荼毘に付された幼なじみの
拾われ損ねて掃き捨てられた
骨の一部と変わりはないのだよ
偉人の平凡な時間をちょっと削っても
偉人の虫歯の痛みは止まらない
高慢ちきな文人の腹を
血に飢えた軍人が引き裂いて開いてみても
そこには赤い血潮が無駄に溢れ返り
愛国心の証明にもなりはしないのだよ
故に偉人の虫歯を論じてみたところで
その痛みを証明するものなど
ありはしないのだよ
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