批ギ たりぽん「眠ってしまえばいい」/黒川排除 (oldsoup)
 
ワハハハハハ。何ってあの空行のでかさはどうみてもごまかしにしか見えないのが残念だ。全部二三行の空行である詩とかにはことさら慎重な空行ソムリエでありたいおれなので注文が厳しいというわけでもない。あまりに大きな空行は読者の中に育んできた詩情を薄れさせ、あるいは切り、あるいはまったく消滅させてしまう。この詩の話に戻せば、あの回帰に至る方法がすべてあの空行に省略されているので、空行に注意を払わない読者なんかは「空行になんとはなしにある雰囲気」で詩っぽいイメージを掴まされているようだが一体彼らは空気以外のなにものでもないものを掴んで浮かれているだけではないのか。手を広げてみたことがあるのか。読後の反覆は? などと余計な心配までしてしまうのは悪意でなくてまったく純粋な疑問である、というのもすべて、あの一連目が素晴らしいためであり、それを何故なぜナゼ物理的な方法でもってまで薄めてしまう必要があるのかという疑問。あの空行、あの大きな谷、谷底にはきっと素晴らしい表現が手も付けずに捨ててあるんであって、おれがそれを盗みにいくので誰も手をつけるな。
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