冬の調べ/もる
 
緩やかに流れる冬の調べ
鏡の中の掛け違えたボタン

昨日買ったばかりのマフラー巻いて
死んだ葉っぱ音を鳴らし歩いていく

切ない 拙い 力で君を引き寄せて
押し退けて 押し退けて 芽を出した雑草
雪解け 時裂け 廻りだした時計に
僕や 風景も 慌てて走り出した

冬の調べ 冬の調べ

鮮やかに流れる時の流れ
急ぎ過ぎては靴紐ほどけて

奥のほう輝いている並木道
闇雲に無闇に世界に触れてみる

必死で 淋しい 一人ぼっちの嘘吐きの輪
がさがさ ごそごそ 春の音がしている
雪解け 時裂け 廻りだした時計に
僕や 枯れた木も 慌てて始まっていった

冬の調べ 冬の調べ
冬の調べ 冬の調べ

そろそろ終わる頃だよ
鐘が鳴って 君と舞って 白を突き破っていく
鮮やかに 緩やかに 何かが訪れはじめている

それは 
冬の調べ 冬の調べ
冬の調べのエピローグ
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