三日月/中音 涼
漆黒の夜
ただ風が吹き抜ける山道
出会う人も無くただ一人歩く
背中に背負う大きな荷物はいつ降ろせるのだろう
私の背負ってしまったこの重きもの
そしてこのままこの急勾配の坂を昇り続ける
果てしない時
宿命
逃れられない苦しみ、定め
疲れし我が悲しみの目で空を見上げれば
小さき光を絶え間なく与えてくれた存在を見た
小さくも鋭い輝きの三日月
常に共に歩み景より支えてくれていた
同行二人
この取るに足らないつまらない存在さえも生かしてくれた慈母がいた
私は再び歩みだした
この先如何に険しくとも、遠くとも、もう怖くない
喜びの旅を進む
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