白黒/なな子
 
白い紙に
ぽつりと垂れた黒インクは

かなしいか
うれしいか

染まろうにも滲めず
消えようにも消えない

黒は黒のままで
白の上にある。

白は黒に被いかぶさるでもなく
白いままで
黒を受け入れている

白は真白のままで
黒は見渡す限りの白なのである

わたしは
若山さんの鳥を思い出し
紙を丸めて、棄てた


さてわたしは、白か黒か
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