夜が降りてくる/便乗鴎
 
頑強な夜は
積み上げられた階段をくだる

午前4時をまた
告げにきた

居間の大時計がまた
陰鬱な調子で
低くて冴えない
よっつの鐘をついたとき
恋は終わった
燃えさしは浮いた

駅前はいつでも四月、
春の夜の余韻に浸り
ひとつめと
みっつめとを叩く
大太鼓の喧騒が、
今夜もまた
街路樹の
内面を照らす、

洋風の街燈と
共感して響き渡たる

飼い猫と同じように
僕はそれに気づき目覚め
だけど住宅に縛られていて
また悩ましい大時計を前に
水を一杯飲み
またひとつ新しく、
さみしい味を見つける

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