ひとりぼっちの王様がいて/藤原 実
ひとりぼっちの王様がいて
ひとりぼっちの王国を支配していました
ひとりぼっちのテーブルで
ひとり占いをしました
ひとりぼっちの道化師をみつけて
ひとり芝居をさせようか
ひとりぼっちの音楽家をみつけて
ひとり寝の子守歌を作曲させようか
ひとりぼっちの王様がいて
ひとりぼっちのお城の塔で
ひとりよがりの詩をかきました
ひとりとはどんな鳥でしょう?お嬢さん
ひとり暮らしのばあさんの
ひとり娘がその詩をよんで
ひとり合点で涙をながしました
ひとりぼっちの王様はかなわぬ恋をしておいで
ひとりをのこらずあつめても
非と理はいっしょになれぬもの
ひとり歩きは気をつけて お嬢さん
ひとり遊びはやけどのもと!
戻る 編 削 Point(2)