旋律/AKiHiCo
壊れた旋律で奏でる音で
誰を引き止めるでもなく歌い
絡まった運命を眺める
私が有害である事実を受け止めて
それでも生きていていいと言い聞かせれば
歪んだ姿でも歩いてゆける、
崩れた過去を掬い上げ
指の間から零れ落ちる思い出
最後にこの掌に残るものが
一体何の役に立つと言うのだろう
見つめ直せば見えてくるはずだった
そんな未来も今は見えないというのに
鳴り狂う音
弦の切れたヴァイオリン
私の耳をすり抜けて
地面に球となり煌いて転がる
覗き込めばそこには私が
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