コフーの古城/黒川排除 (oldsoup)
 
縦に長い城が見え対岸であり草を刈る

拇印舐めるひとさしゆびはおかあさん

天井のゴム跡とがる
日に日に ねむるごとに

木陰から飛んで弾む砂地永遠にも似て

窓向こうは逆風 数年前まで暖炉

網を投げた工員孤独なる地下の密告

小さな書簡を抱えしわが眼に朝焼けの灯るまで

牛車が揺れるのは笑うからかもしれずして笑う

おとめまぐわう
おとめまぐるしき
盗聴器かくす

脳裏の火がメモ千々に裂き蛍に似て

水面の闇生きて水鳥乱反射

希望なくして暖色の夜空這うべき接点

暗中に花を書き残して滅ぶ

濡れたままこの世の緑をみんなみる

一片
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