生存証明/松本 卓也
零れる汗に目が染みて
抱えた荷物に途方にくれる
何もかもを投げ出すには
少し遅すぎたのかな
社会人になってみて
背負ったものは責任と
僕の器を蹴破るほどに
膨れ上がった残業時間
今日も卑屈な微笑で
自分をネタに笑いを誘う
助けてくれといった所で
誰も信じちゃくれないからさ
空白の時を埋めるのは
いつの間にか妄想と区別を無くし
過ぎた記憶を巻き戻そうと
夜の闇から手を招く
生存の証明を掲げるほど
残せたものなど無いのだから
せめて電飾の空に舞い上がる
涙だけでも星になれ
2005/6/17 筆
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