兄/
たもつ
あそこにいる人が
あなたの本物のお兄さんだ、と
偽物の兄は言った
青空にあんなに高く手を挙げて
いつまで疲れないのだろうか
明日になったら
偽物の兄が大好きな
餡子のお菓子を持って
本物の兄に挨拶に行こう
そう考えているうちに
すっかり朝になり
やっと諦めに似た気持ちになった
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