静かの海/
 
月は満ちる
音もなく

この光に
この暖かな光に
何度君を思い返し
何度願っただろう


月が欠ける
忍び寄る闇に覆われていく

その闇に
この暗い闇に
何度絶望を知り
何度死を見ただろう



そうやって
満ち欠けは繰り返された
長い間

それはまるで海の泡みたいに
当たり前にそこにあって
まるで宇宙のように限りなく
続くと
続いて行くと思えた



けれど願いは叶わず
今僕はここに居て
君は今日静かに眠りにつく
どこかの空の下
どこかの月の下で



端が欠けた
今日の月もきれい?
けど僕は何も
もう何も感じないんだ
痛みさえ


ねぇ?


戻る   Point(4)