新人シャンソン歌手 新春シャンソンショー/やまかつ
 
笑いさざめく 満員の観客席
適度に空調が効いて 温度湿度ともに申し分ない

初めての舞台
握り締めたてのひらに汗 鼓動がいつもより大きい
緊張してはいけない 充分練習を積んだのだから
大丈夫 私にはできる

そう この広いホールで
私はつかのまの主人公になる

こまかな震えを無理矢理に 押さえ込む
左足に体重をかけて
大丈夫 大丈夫

低く流れていたBGMが止まり 開演のベルが 今 鳴り響いた

初めての舞台

夢にまで見たスポットライトを浴びて
舞台中央に出た私は 胸を張り 腹の底から情感を込めて

「2006年!! 新人シャンソン歌手 新春しゃんしょんしょーー!」

あ…。




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