むらさきの日/木立 悟
 

曇と風の向こうを指さし
はじまりつづけるものの名を呼ぶ


龍の夜明け
曇と曇 風と風
はざまを埋める鳥たちが
光に押され 西の地へ落ち
土に草に
木に森になり
いくつもの夜明けを見つめゆく


雨の顔は空を見上げ
音も姿も遠去かり
地にも空にも落ちることのない
かがやく二羽の鳥となり
火と水たまりのつながる渦へと
目のかたち
羽のかたちの森たちとともに
むらさきにむらさきにはばたいてゆく








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