青/ナオ
 
片目をつぶったまま手招いていた
あの手は深い茂みに

罪はきれぎれに悲鳴をあげ
花びらのように降りてきた
見知らぬ吐息
濡れていくはかない枝葉

果実は強く芳醇だった
無防備に口にとけ
侵食していった
影に

おし引かれるがまま
背丈ほどの草の間に冷たく横たわると
警鐘はかなしいままに
気まぐれな風に流されていった

朝露をふんで小鳥が羽ばたいていく
木の葉をきらめかせ
鮮烈な幸せが逃げていった

虚構に身を許している
深く冷静な指先が
ゆらりと水面をなぞる
もっと遊びたい
遊びたい

けれど私は気にならなかった
そのうち
自由に姿を変える水になってしまった

流れる雲と刹那の輝きを映し出して
私は青く身を染めていった
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