とびきりの宇宙/不老産兄弟
宇宙からフランスが降りはじめ
僕は体内の石の上に座ってみた
胸部から胃袋へと一直線に落ちる滝に
あわせることも逆らうこともせず
躍動を支えるだけの脊髄は
まるで紅葉を終えた静かな生態のようだ
いよいよ冬支度がはじまる
辺りをみわたしてごらん
やがてひとつの協調がうまれる
通り過ぎていく滝の音色に
じっと耳を傾ける僕の立像さえ飲み込んで
呼吸は絶えず緊張と弛緩を繰り返し
あわただしく落ち着いては再び帰る場所を見つけ
とまどいの先には横たわる宇宙の平穏
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