三歩前へ/もろ
 
ていたようだった。
けれど
何をするでもなく
きちんと見ることもせずに
いつの間にか
どうでもいいこととして
気持ちの中で処理していたのだろう
躊躇なく
進む足を
止めることをしなかった。

今日の味噌汁は
少し味が薄い。

明日、
例えば会社を休んだとして
そんなことを言ったって
休んだりはしないのだけど
誰かが休めば
誰かがその穴を埋めて
それなりに
仕事として成り立って
大変なことのように言う人だっているかもしれないけど
それだって
もっと離れたところから見れば
どうだっていいことのひとつ。

今日干した
洗濯物のシャツが
どこかへ飛ばされたとしても。

明日の朝、
目が覚めて
人生の少しだけを共にした金魚が
生きていたら
金魚のために
遺言書を書いてもいいかもしれない。
それが
なんの意味も持たなくても。

茶色く濁った色の
染み付いた紙コップが
足元に散らかっていたので
拾い上げて
剥き出しのゴミ袋へと
投げ捨てた。


(04/09/26)
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