空の一片、届かないノック/
霜天
た君は
そっと息をして、気付かないでいる
一心に繰り返している
同じリズムで繰り返している
誰も、妨げないテトラポッド
崩れる落ち葉の鳴る、音
気付かない
気付こうと
きっと、そんなところまで
注意深く、朝が
ビルの隙間の細い空
分配されている、ほんの一片
その向こう側の僕の、手繰り寄せるロープの手
いつもと同じノックの音、繰り返しているリズムの先に
君がドアを開ける家
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