また、ここだ。あの時のまんまだ。凍えるほど寒くなっただけだ。/
恭二
あの時僕は、確か半袖のティーシャツだけだった。
暑さに狂って、向こう岸まで泳ぎ渡ろうとした。
多分、まん中ぐらいまでは泳げた気がする。
それもはっきりとは判らない。
何だか急に無理な気がしてきて、
結局こっちの岸に独りで戻って来てしまった。
この数カ月間、泳いでいたのか、溺れていたのか。
それは彼女しか知らない。
たまったメールに、慌てて返事を送った。
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