2:03/なかやまそう
深夜になると
隅田川の流れは
きゅうに静かになって
月をもとめて
魚があちこちで飛びはじめるので
ぼくもおうぎがたの
しろい机からたちあがり
ぽろぽろと数字をふりはらい
そろそろとベランダにでて
月をながめる
東京タワーが消灯すると
となりのビルも
そのまた
となりのビルも
ひとつひとつ明かりが消えて
はやく家にかえって
眠らないとと
おもうのだけれど
まっくらな空から
白いほそながい
けむりのような雲が
マンガの吹きだしみたいに
なにかコトバを
もとめてくるので
うかんできたコトバを
川辺
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