虚ろな顔/
佐藤伊織
虚ろな顔だ
巨大な白い顔が僕の頭上を覆うので
口のなかから もう一つ頭を取り出して
紐に括り付けながら空に昇ってみた。
巨大な顔は回転しながらただ泣き叫ぶばかり
視界に広がる東京の夜景と
空一面に浮かぶ虚ろな顔
私は紐を手繰りながら
口から頭を吐き続けている。
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