詩人の墓前に祈る 〜北鎌倉・東慶寺にて〜 /服部 剛
 
は膨(ふく)らみかけた三日月が浮かび、一番
星の金星が、力強い光を独り立つ僕の胸に届けた。その時・・・故
・高見順氏の魂はかつてこの世で生きた時間の中で、ふるえるほど
の人生への想いを、一編の詩や小説に封じこめたということが、日
が暮れた杉木立の山の奥から夜風に運ばれる音の無い声が、聞こえ
た気がした。
 

  
    *文中の詩と文は
    「高見順詩集」(弥生書房)
    「詩学・現代詩読本 1957年・臨時増刊号」(詩学社)
     より引用させていただきました。 








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