ナイーヴな歌・普通の歌(ジャクソン・ブラウンの歌に絡めて)/岡部淳太郎
 
 このところ、久しぶりにジャクソン・ブラウンの歌を聴き返している。知らない人のために少し説明すると、ジャクソン・ブラウンは、一九七〇年代初めにレコード・デビューしたアメリカのシンガー・ソングライターである。米西海岸の、いわゆるウェストコースト・サウンドと呼ばれた音楽シーンを、イーグルスやドゥービー・ブラザーズとともに代表していた。
 僕は昔から彼の歌が好きで、これまでに発表されたオリジナル・アルバムはすべて持っている(僕はかなりの洋楽マニアなので、オリジナル・アルバムをすべて持っているのはジャクソン・ブラウンだけではないが)。最近になってまたジャクソン・ブラウンを聴き返し始めたのは、先日(二〇〇
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