*ラジオ*/
かおる
ほら、行ってらっしゃいと言う
微笑みを置き去りにし
ガムシャラに生きてきた気がする
コチコチと時を刻む音に苛まれて
うちには時計がない
ただいまの声に
シーンとした家鳴りが怖くて
いつでもラジオが鳴っている
時計よりの有能に
一日の挨拶を忘れないようにと
一方的なおしゃべりにも心安らぎ
なくてはならない
心強い相棒なんだ
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