回想/しらいし いちみ
母が癌で去って六日目に父が倒れた。
病名は白血病だった。
父は門限や勉強に、容赦しなかったので一時確執のような物も
生まれた事も有り頑固で頭の固い父だと思っていた。
その父が入院したので一日一回顔見せと着替えなどを持って病院に
通った。
当時はトラックの運転手をしていたので比較的時間に融通が利き
病院へ行くことが出来た。
困ったのはトラックを停める場所が無いことだったが近くに博多の
台所、中央市場があり其処に断わって駐車をさせて貰った。
仕事の休みの日、私は父が好きな煮魚を持ち夕食に間に合うように出
かけた。
半分食べ残したので味が悪かったのかと心配したら、
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