彼こそ天才!/プテラノドン
 
少年は粘土でイカの化け物を作った。
「これは何?」と先生が訊くと
「バケモノイカ!」と言って、
あまっていた粘土をイカの化け物にぶち当てた。
ふっ飛ばされたイカの化け物は、
隣にあった「潜水艦」に絡まって
ますます化け物らしくなった。
プールサイド。子供たちがバタ足練習をしていた。
「イカ泳ぎって知っている?」少年が言った。
皆、息つぎに忙しくて気付かなかった。
水しぶきのなかに十本足の化け物が紛れていたのを。
少年は化け物イカがすっかり成長したら、
海に放すつもりだ。

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