「晩夏」/shu
初めて君の部屋に行く約束をした日
深夜 セブンイレブンの前で待っていると
千鳥足の君がぷらぷら手を振りながら現れた
知り合いの家でワインととびきり新鮮な金目鯛の刺身を頂いたそうで
アルコールの匂いをぷんぷんさせながらご満悦なご様子
近くのアジアンテイストな小さなサテンに入って
きみはジンジャエール ぼくはブレンドコーヒーを注文
楽しかった一日がきみの笑顔からこぼれおちるのを
ぼくは熱いコーヒーと一緒に味わった
もう真夜中の12時を過ぎているというのに
店内には小さな子供2、3人を連れた家族連れと
大きなおなかのゴールデンレトリバーがうろうろしている
きみはちょっと気取ってハ
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