午前四時/松本 卓也
国道に掛かる歩道
午前四時に佇む僕の
肩に降りかかる雨は
思うより冷たくもなく
疎らに通り行く車
水飛沫を避けて歩く
十一月の雲を眺めても
滴が落ちてくるだけで
長い土曜の終わりと
短い日曜の始まりは
どの朝よりも淀み
どの夜よりも重く
大切にしているのは
孤独である時間なんだって
そんな嘘を繰り返して
明日もやり過すのだろうか
微かな街灯の導くまま
見慣れた家路すら迷う僕は
鈍い雨音に自嘲を隠し
誘う夢だけを頼って
ただ重くなる足を引きずり
冷たさに千切れないように
毎日に埋もれた僅かな微笑を
路地裏に忘れないように
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