孔雀/ZUZU
 
平日のまっ昼間に
後背位をしたあと
快速電車にのったら
となりに孔雀がきて座った

言いたくないけど
むかいの椅子も
となりの車両も
ぜんぜん空いているようなのになあ
孔雀はなんだか知らないけれど
ぼくの隣にやってきて座った

ぼくはこういう図図しさに慣れていない
都会で育ったせいだろう
だけれど孔雀には孔雀らしい
ぼくの隣の席を選ばなければならない
理由があったのかもしれない

タタントトンと
流れていく郊外の景色には
見慣れたようで
けっして交わることのない
アパートや商店の
息づかいが流れきえていく
ぼくはいつから
こんなにものごとに鈍感なに
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