らせん坂/umineko
 
乾杯

わたしをめぐる
すべての絶望に


坂道は
下るためにあるものだ
わたしは

一歩ずつ
確かめながら下っていく


わたしと同じ方角に
下っていた人が
いたけど

いつのまにか
ひとりぼっちだ


あなたならたぶん
出来たとは思うけど

やっぱり
わたしは憶病者だ
命づながはなせない


だんだん
坂は急になり

おぼろげに
行く先が見える

暗い闇
ではなかった
連続していた


あるいは
ここはもうすでに

ただ
目の慣れた
闇かもしれない
 


 
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