雨の日 −窓際にて−/あやさめ
空は作られていった
──とある人が語り継いだ
誰もが を知らないことはどこにでもある事象
そんな気違いじみた風景を許容してしまう大ホールを抱え
ただ黙々と歩くだけの祭りが今年もやってくるだろう
向こうに見える山々の向こうがまた山だという幻想
その冬の冷たさはそのまま雨に打たれた泣き声と叫び
そんな昔のことはもう忘れていいと思う……のだが
その風景というのは記憶だけのものだから
僕は を名付けられないこの息苦しさを捨てて
今日も地上三階のコーヒーショップで昼の時間を迎える
どこを見上げても白から黒への移行の一日
雑音が全ての言葉を流してしまうそんな歩道で
衝突することもなく方々に流れていくのは 水ではなく
はもう誰にも届かないような昨日の空気のようで
明日もそのまま街に溶けていくように見えるだけ
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