雨の日 −窓際にて−/あやさめ
 
雑音らしい特徴を失ってとめどもなく流れていく
居心地の悪さだけを蹴飛ばしたら
あの風船は中身が抜けていくまで空に降り続ける
そんな雨の中で ボールだけ見えなくなる

てんでばらばらの行き先を目指して歩く人たちの
傘の模様とその回転と角度が同じなので
小さく笑ってみて角砂糖をばら撒く今日も
眺めだけはたった数メートル上でよかったのだから

あの  だけが僕の目の前で踊るその嬉しさと哀しさ
それはきっと他の人には見えなかったし
誰の言葉としても伝えられなかった


彼と彼女はそれぞれ違う建物の屋上を見上げて
何事もなかった昨日を勝手に振り返り
そうやってこの縦長の空は
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