蕊/黒川排除 (oldsoup)
 
森の奥に山あり月あり着陸す

出口しか知らぬと支配人は言う

影の頭の部分からちょうど支流になる

入っておいで 水深百メートルの風呂に

金槌に前科を付けてお返しする

流れ星見て苔の天蓋被って泣く

老年来る蔓の格闘見届けて

不毛の大地に無数の画架の足見える

ねむたき子にポスト・モダンのまぶたを乗せる

白々と孤児が向かう先すべて北

ほとばしるべく三度の飯を三度抜く

孫のしなやかな舌伝うアポロンの使者

シベリアは
しべつく
とも、しべつくるとも

河原にわずかに小石がたかったような跡

幹数万と地に刺し森、一匹の獣


[次のページ]
戻る   Point(3)