A課長との無言の会話/yaka
 


 吹かした煙といっしょに、行っちゃうかと思いました
  
 薄くなりましたね、背中

 このビルが潤うたびに、課長さんは枯れてゆきますね

 決して幸せを期待できない結末に、突き進むのはなぜですか


 薄い背中はむしろ愉しげに


 郊外マンションのローンが終わる頃、ぼくはどこにいるだろうね

 きみの言う結末の先の、もう削る必要のない場所で

 のんびり煙草を吹かしているよ


 そう言ったように見えたのは

 もちろん気のせいでしょうけれど



戻る   Point(4)