朝、ぬすびとは/ZUZU
けていて
始発の時間すらわからない
俺は情けなさで涙があふれた
もういいよ
おまえはどこへでも
いっておしまい
俺はこのバス停のふもとに座って
こないバスでも待ち続けるよ
女はとなりに座って
消え行く空の星をゆびさした
あれがあなたの
ぬすんだほしよ
しおどきなどありはしなかった
いつでもしあわせだった
ああ女よ
俺がぬすんできたもののいくつが
おまえをしあわせにしただろう
なにもなにも
ただ俺は
じぶんをいつわっていただけだった
金色にかがやくむぎよ
おまえのむぎだ
パンをお焼き
そのにおいのなかを
俺は自首することにしよう
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