冬の道行き/たりぽん(大理 奔)
 
この
てのひらに届く
吐息のような
君の伝言


手が届かない切なさ
抱きしめられない寒さ


その孤独が私に
乗り移ればいいと
おもてに飛び出してはみたのだけど


刺すように見つめる
星座表を冬の角度で
航路は暗く深く
こぎ出す船は波に小さく


想いの中で難破して
無人島にもたどり着けず
ただ葬送する


私の吐息は
君のてのひらで
暖かく溶ける
だろうか




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