デッサン/もる
部屋から映す額縁の
端から君が現れた
なんて素晴らしい偶然だろう
僕は絵を描いていた
その肌に触れてみたいと
僕に言う勇気があったなら
そんなことを考える前に
君は額縁から去った
もうデッサンはやめだ! もうデッサンはやめだ!
もうデッサンはやめだ! もうデッサンはだめだ!
絵を描きにいくのだろう?
玄関から飛び出した
お気に入りの筆を持って
君の顔面に塗りたくるは
濡れた泥と欲望の証
遠くの景色を見ていると
涙が出るホリデイなら
滲んだアーチで君を誘って
浮かんでくる透明少女
もうデッサンはやめだ! もうデッサンはやめだ!
もうデ
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