サンドイッチ/暗闇れもん
 
噛み付いてきた挑戦的なサンドイッチを

僕は消せなかった

赤いトマトの緑がかった種を

どろりと垂らしながらも勇敢に立ち向かう(きっと)彼を

僕は消すことなんて出来なかった

ベーコンがこんがりと焼け、おいしそうな彼


今までにないやつだよ、君って


そう呟いたって僕の欲望は丸見えで


レタスのはを覗かせて


威嚇するんだ


でも


パンの粉をポロポロとこぼすほど震えていて


ただの強がりだったんだよ


だから僕はあきらめた


そんな僕の心からの笑顔だって


口元から垂れる唾液のせいで台無しさ



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