アド・バルーンより愛を込めて/EnoGu
一時はそこそこの知名度だったらしい。
詩集を三冊だしている。
ふいにバーのフロアへ流れ出す、抑制の効いたピアノのイントロ、次いで、あの懐かしいスキャットが聴こえてくる。
…O aria aio opa opa opa…
マシュケナダ!
私、これ好きだったの。昔カラオケで朝までサークルの仲間とよく歌った歌。
ポルトガル語の歌詞の意味なんてだあれも知っちゃいなくて、ただひたすらカタカナの羅列をみんなで絶叫するの、あのころはほんとうに、楽しかった…
最高さ ほんと最高!
大きなオビ川 そうオビ川のよう おおらかな家族のよう
これ以上のものは無い 最高の音楽
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