冬をよろしく/nm6
足先のようにつめたい
するどさの くるおしさの 家路につきます
耳たぶは 暖かそうにも 通りぬけて赤いし
温度の分からない小石に躓いて
ストーブで焼けた服が
怠けた洒落心に 鞭打つので
この角度は がしりと手厳しいですね
数少ないこの 言葉なのですから
お願いします どうにか
あなたは 帰ってきましたから
ぼくは
爪を切って
ギターを弾いて
その流れで引っ越します
自転車は からからり
笑い声も聞こえない 川沿いです
そういえば 日記をつけはじめた日の
天気だけはよく覚えています
突き抜けた色に 曖昧さは何故か映えず
ぼくは首をかがめて 寒そうに気取っていました
いつものことですが 今日もぼくは
気づかれないようにそっと 余所見をしています
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