孤独のいる場所/むらさき
 
恋をして11ヶ月目の男と寝ていた

わたしの首筋にある小さなほくろを
男がそっと撫でた 幸福感に鳥肌がたったが
孤独は相変わらず
わたしのへそに隠れていた

コンプレックスになるほど愛している
父と話をした

仕事について 知り合いについて
思い出話 週末の予定
孤独は
わたしの髪の根もとにいた

あまり共通点がなさそうな職場の人と一緒に帰った

日本語の難しさを右脳の奥で感じながら
夕日の色の名前を知らないことに気づく
孤独は
わたしの爪の間に

電気の音しかしない街を歩いた

通り過ぎる人々の顔は2通りしかなくて
律儀にわたしもその一つに成りす
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