滑走路の終わりは/たりぽん(大理 奔)
 
あのころ
セスナ専用の飛行場が
遊び場のひとつだったのを
おぼえてるかい


南港に木星が浮かぶ時刻
僕らは自転車で滑走路に潜り込んで
西に向かって
ペダルをちからいっぱい踏んだ


速度だけで飛べると
本気で信じていた
あのころ
ペダルをちからいっぱい踏んだよね


  滑走路の果てるところで
  見上げた星を
  僕は忘れない



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