夜を泳ぐ/
ススメ
アスベストの隙間に
霞んだ満月がいた
放置自転車はその光に晒され
僕の影は車輪の海に溺れていた
薄汚れてるはずの街が
星さえ忘れた街が
光を集め続けている
青黄赤に踊らされた
自動車の光る目が通り過ぎるたび
僕は波にさらわれそうになる
だからバタ足で泳ごう
プールサイドの感触はまだ覚えている
街路樹の森
路傍の献花
公園の烏達
だからバタ足で泳ごう
プールサイドなんてもう無いんだ
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