猫を轢く/チアーヌ
 
り死んでいました。
同僚たちはてきぱきと仕事をしてくれました。
「首輪に飼い主の名前とかないね。このへんの家の飼い猫なんだろうけど」
「こういう場合連絡はどこだったかな。とりあえず警察に電話してみるよ」
同僚が最寄の交番に連絡をしてくれました。すると、警察のほうで片付けるので脇に置いててくれという話でした。
飼い主のことが気になり、聞いてもらうと、もしもそういう人が現れたら連絡しますとのことでした。
結構あっさりしたものなのでした。
その間、結構時間があったと思うのですが、わたしはぼーっとしていました。
やはりショックだったのだと思います。
みんなにお礼をいって、そこで解散しました。

そのあと、結局、何の連絡もありませんでした。もしかすると猫の飼い主はどこにも連絡せず、家でひたすら猫の帰りを待っているのかもしれないと思うと、しばらく申し訳ない気持ちがしましたが、自分が生きていくだけで精一杯な日々だったせいか、次第に忘れてしまいました。ひどいですね。わたし。

ということを、雑談スレッドの書き込みで思い出しました。
記憶って不思議だな。
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