猫を轢く/チアーヌ
 
そういえば、
田舎の道路ではよく猫が死んでました。
タヌキも死んでました。(彼氏が轢いた。良く出るんだこれが、夜。)
犬も。
おばあちゃんたちは良く、「畜生は後戻りできないから轢かれる」と言っていました。

中学生の頃、学校帰りに、国道の道端で瀕死の猫を見つけました。わたしはひとりでした。とりあえず側の畑に運び、苦しそうに息を吐く、白くて小さな猫を、じっと見つめていました。死ぬまで。
死ぬことはなんとなくわかっていたのだと思います。ただなんとなく、わたしは、誰かが死ぬまで見ていてあげなくちゃいけないという気がしていたような気がします。
ずいぶん昔のことなので、そのときの感情は上手く
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