学校/佐藤伊織
 

珈琲の空き缶の蓋から
薄緑の光が立ち上るのがみえた

暗い教室を出ると長い廊下が続いていた。
視点よりはるか先まで
神経が届いてしまうのがわかった。

その先には沢山のドアがついていた。
ドアの向こう側には崖があった。
崖の向こう側にも廊下は続いていた。

無数の廊下は血管のように入り乱れて
心臓まで道のりは遥か遠いようだ。
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