学校/
佐藤伊織
珈琲の空き缶の蓋から
薄緑の光が立ち上るのがみえた
暗い教室を出ると長い廊下が続いていた。
視点よりはるか先まで
神経が届いてしまうのがわかった。
その先には沢山のドアがついていた。
ドアの向こう側には崖があった。
崖の向こう側にも廊下は続いていた。
無数の廊下は血管のように入り乱れて
心臓まで道のりは遥か遠いようだ。
戻る
編
削
Point
(1)