限界/チアーヌ
 
あまりにも暑いから
立ち眩みがしそう
知らないアパートの階段は
古くて崩れそう
錆付いた自転車の側には
痩せた猫が一匹
しゃがみ込んで撫でていると
後ろから知らない男の子がやってきて
わたしを呼んだ
後を追って
階段を上がると
小さな部屋が並んでいて
奥から二番目に
男の子が入って行くから
わたしも入った
電気が無くて
薄暗い部屋で
窓を開けて
二人で煙草を吸った
そして男の子は
レコードをかけてくれた
その音はとても遠くて
歪んでいて
わたしの地面はぐらぐらになった
どうしてこんなにつらいのかわからない
わたしは声を殺して泣いた
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