領域、その人の/霜天
 
ともすれば、その人の
冷たい朝なのかもしれない
天井はいつも通りにぴんと張り詰めている
とりあえずは、流行の
そこから外れた道の街路樹のなびく姿を真似て
まずは珈琲をすすることから始める


一番に訪ねてくる人は

            一番に訪ねてくる人は、その日
            朝を吸い込んで遠くへ
            視線はここよりも遥かへ
            ずしんずしんと迫ってくるような人
            とりあえず私は耳をふさいで
            目を閉じる、深い呼吸、開ける
            もうそこにはいなくて
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