無/
ススメ
青く輝くバスの中で
エンジンの振動に
僕は意識を奪われた
青く輝く無人バスは
青海の上を走る
古ぼけた車内には
僕を含めて誰もいない
人の声の波の音は
イヤホンとエンジン音を無視して
僕の鼓膜に突き刺さる
木板の床には僕の靴
ミラーを見ても誰もいない僕もいない
青く煌くバスの中で
外には赤い水平線に星の無い空
暮らしの明かりは点々と
青く煌くバスの中で
蛍光灯は青白く
窓に映る僕の姿は
景色を切り取る闇だった
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